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2019.09.24 

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遺留分制度が変わりました

2019年7月1日をもって遺留分制度の見直しが行われました。

遺留分を侵害された者は、
遺贈や贈与を受けた者に対し
「遺留分侵害額に相当する金銭」
請求をすることができるようになりました。
請求を受けた者が直ちに金銭を用意することができないときは
裁判所に対して、支払期限の猶予を求めることができます。
また、相続人に対する贈与は10年以上前の物であっても
遺留分計算の対象になっていましたが、
相続人に対する贈与は、相続開始前10年間にされた贈与に限るとされました。

従来の制度においては
遺留分減殺請求がされると現物返還が原則であり
例外的に金銭による返還が可能でした。

例として
被相続人 夫
相続人 妻 子(長女)1人の場合
妻に対し11年前に2億円を贈与してあり
妻に土地・家屋1.6億円を
長女に預貯金0.4億円を
相続させるという遺言を残していた場合
相続財産の総額は
2億+1.6億+0.4億の4億円となります。
遺留分は遺産の総額の1/2に
各自の法定相続分をかけて計算するので
長女の遺留分は
4億円×1/2・・・2億円
これに法定相続分割合をかけると
2億円×1/2=1億円 となります。

長女の受け取る預貯金は0.4億円ですので
1億円-0.4億円=0.6億円(6000万円)
長女は6000万円分遺留分が侵害されたことになります。
ここで遺留分減殺請求を行うと
土地・家屋が妻と長女の共有となるのが原則です。

新制度の下では
同じ内容の遺言が残されていた場合に
妻に対しての11年前の2億円の贈与は遺留分計算の対象になりませんので、
相続財産の総額は
1.6億+0.4億・・・2億円となります。
長女の遺留分は
2億円×1/2×1/2=0.5億円(5000万円)となり
侵害された額は
0.5億円-0.4億円=0.1億円(1000万円)となります。
これは妻に対する金銭債権となり、
土地・家屋の共有状態は生じません。
また、妻はすぐに1000万円を用意できないときは
裁判所にたいして、支払期限の猶予を求めることができます。

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目次

遺留分制度の見直しが行われました

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