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2019.09.03 

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預貯金の仮払制度の創設

平成28年12月18日までは、
預貯金債権は相続開始と同時に、
法定相続分に応じて各相続人が自動的に分割取得するとされていました。
相続人は各自が有する法定相続分の範囲であれば、
各相続人が単独で払い戻しが受けられるとされていました。
しかし、最高裁は平成28年12月19日判例を変更し
預貯金債権は遺産分割協議においては
共同相続人の間で調整を行うのに役立つ機能をもつことを重視し
自動的分割されないとの判断をしました。
これでは相続人は遺産分割が終了するまで、
単独で預貯金の払い戻しを受けることができず
相続債務の弁済、生活費や葬儀費用の支払いにも困ることになります。
そこで、相続人の資金需要に対応できるように
預貯金の払い戻しの制度が設けられました。
1.預貯金の一定の範囲で払い戻しを受けることができるようにする。
 預貯金の1/3まで、各相続人の法定相続分の範囲で単独で払い戻しを受けることができる。
 各金融機関において150万円が上限
2.保全処分の要件が緩和された
 仮払の必要性があると認められる場合に、
 他の共同相続人の利益を害しない限り
 家庭裁判所の判断で仮払が認められる。

目次

共同相続された預貯金の遺産分割前の払い戻しを認める制度創設されました。

複数の相続人が共同相続した預貯金について、最高裁は近年判例を変更し,遺産分割の対象となるとの判断を下した。そのため遺産分割前の各相続人への払い戻しが、相続人全員の同意がなければ認められなくなった。これは払戻をする金融機関にとっては、個々の相続人に個別に払い戻した後の相続人間のトラブルに巻きこまれることのリスクを避けられるようになり、メリットがある。しかし、相続人にとっては緊急の葬儀費用の支払いや当面の生活費などの払い戻しが受けらないことになり、困難なことになるためこれに対処するために新しい制度が創設された。

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